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『鉄道の未来予想図』を読み始める

 土屋武之さんの近著『鉄道の未来予想図』を読んでいます。鉄道ファンに共通する性癖とも言うべき夢想に、土屋さんの性格なのでしょう、正面から取り組んでいます。鉄道ファンは現実に存在する鉄道はもちろんのこと、廃止になった鉄道も楽しむし、予定線もシャブリ尽くします。建設途中で挫折した未成線にも愛情を注ぎます。本のタイトルからは、過去の類書の内容を想像してしまいましたが、最初に登場したのは、東京~大阪間を走る夜行列車でした。しかも運営するのは貨物会社だというのです。

 格安夜行列車ということで、大阪まで5000円。車両は廃車が進むサロ212、213を使用、喫煙ルームまでついています。列車名は「すばる」。東京側の始発は「新渋谷駅」。埼京線ホームが山手線ホームと並列になって、使用されなくなったホームを使うという設定です。そこまで旅客会社に遠慮しなくてもいいのでは、などと思いながら読み進みます。
 読み進むうちに、土屋さんに触発されて、自分の夢想が邪魔をし始めます。この列車は品鶴線から羽沢貨物駅経由で小田原まで貨物線を走るようです。これでは横浜から乗車できない。せめて相鉄が乗り入れる羽沢で乗車できるようにしてほしい。貨物会社の駅だからできるでしょ。
 大阪側の終着は、元貨物用地に作られた「北梅田駅」。「はるか」などが通る梅田貨物線上に駅があるようですが、ここは是非もう少し進んで大屋根のある元の貨物ホームに到着したいですね。umeda.JPG▲「すばる」の終着駅は是非ここに!!
 開発の進む「うめきた」の巨大商業施設の横に大屋根の広い貨物ホームが残っています。ここを是非レールシティにして、ヨーロッパ並の頭端終着駅に。昼はコーヒー、夜はワインでも飲みながら列車の出入りを眺める......。
 本に触発されて脱線したまま、戻れそうにありません。列車は6両編成ということですが、もう1両つけて、1階は売店、2階はラウンジに。朝の都会の景色を見ながらコーヒーが飲みたい。この車両は、スターバックスやドトールに委託して、ラッピングなども施せば、人気出ますよ。
 近頃、こんなに「鉄道脳」を刺激されたことはありません。第1列車からこれですから、先が楽しみです。刺激されたい人は是非読んでみてください。
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土屋武之『鉄道の未来予想図』(実業之日本社)

 編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年06月18日   本の話

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