湧網線の旅

 湧網線の駅の写真が揃いましたので、是非ご覧ください。湧網線はJR化直前の昭和62年3月20日に廃止されました。中湧別~網走間89.8キロの路線で、オホーツク海、能取湖、サロマ湖を車窓の友にしていました。両端の中湧別と網走を除くと25の駅あり、そのうち11駅が仮乗降場でした。仮乗降場がどんな姿だったか、知らない方は是非写真をご覧ください。

 仮乗降場について、当Webの監修者でもある今尾恵介さんは「仮乗降場といえば、その存在を知らなかった高校生の時に、『道内時刻表』を買って、こんなにたくさん知らない駅が出ているって、舞い上がって喜びましたね」と語っています( 旅別冊「鉄道ファン大全」小社刊)。全国版の時刻表にはこの仮乗降場は掲載されていませんでした。その名の通り、仮に板を敷いて、小さな待合室を設ける、といった形が基本でした。
 私がこの線に乗車したのは、昭和49年12月28日。結局乗車はこの1回だけ。スタンプ帳に、「北海道らしくてよかった」などと感想とも言えない言葉が記されています。 oomagari.jpghigashitomioka.jpg
▲左:大曲 右:東富丘
 高校生には、この仮乗降場を愛でるセンスはありませんでした。その時使った「道内時刻表」を見ると、仮乗降場11駅のうち、 大曲東富丘には上り下り合計2本の列車しか停車しません。 五箇山福島は上り下り合計3本です。福島駅の写真には、希少な乗客が写っています。
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▲左:五箇山 右:福島 撮影(4点):RGG

 tokoro.jpeg雪と氷の車窓を眺め、常呂で停車中に駅スタンプを押しただけで、最初で最後の湧網線乗車体験は終わっています。写真は撮らなかったようです。Web上に駅の写真が揃って、順番に見ていくと、もっと楽しめたのにと思いました。仮乗降場以外の駅もかなり年期が入って、しかも半ば放置状態に置かれた駅をしっかり見ておきたかった。
 湧網線はオホーツク沿岸の開発のために計画され、着工から20年かかって全通しています。開発を目的としたため、役目を終えると廃止されました。北海道に廃線が多いのは、開発鉄道が多かったからでしょう。地図右下の「旅行地図を見る」ボタンをクリックしてみてください。リストラの激しさがよく分かります。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年07月10日   北海道   タグ : 勇網線

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