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空鉄ならぬ「俯瞰鉄」のすすめ

 先日投稿された「Yanshi」さんの俯瞰撮影写真を何度も見ています。つい石勝線の景色を思ってしまいますが、ここは根室本線ですね。石勝線根室本線が合流してから、新得に至るまでの車窓は、私のお気に入り車窓でも上位に入ります。北海道の景色は、しばしば「日本離れした」という形容が用いられますが、このあたりの雄大さは道内でもそうそうあるわけではないでしょう。

 私もいつかこの場所に立って、石勝線の特急列車や貨物列車を眺めてみたいと思います。一昨年私が編集した『日本鉄道美景』(小社刊)には、こうした俯瞰撮影の写真が多数登場します。ほとんどがローカル線で、撮影される列車もほとんどが1両で、車両は景色に溶け込んでいます。日本の四季の風景や地形が鉄道を通して、魅力的に映し出されています。
 俯瞰写真の楽しさは、都市部の写真にもあります。当Webにはまだまだ俯瞰撮影の写真は多くありませんが、例えば稚内駅のページには、戦前、戦後、それに平成の俯瞰写真が揃っています。戦前の写真は絵葉書です。稚内の町の様子と鉄道が変わっていくのがわかりますし、つぶさに見ていけば、稚内の歴史的役割の変化も見えてくるかもしれません。wakkanai3.jpgwakkanai1.jpgwakkanai2.jpg
▲(上)投稿:tt-museumさん (左/右)投稿:otome-c56さん
 昨年吉永陽一さんが『空鉄』(講談社)を出され、新しい鉄道写真の見せ方を提案されました。航空写真は珍しくありませんが、鉄道を被写体とした試みは新鮮です。例えば線路は構成美というのでしょうか、統制された美しさがあります。鉄道模型の車両は屋根が大事といいますが、こうして上から撮られることが多くなると、実車も屋根を疎かにできなくなりますね。
 もっとも誰もが吉永さんのように「空鉄」が出来るわけではありません。しかし幸い都市部には線路に近接して巨大なビルが建っているところも多くなっています。機転とアイデア次第で「俯瞰鉄」傑作写真が生まれるかもしれません。私は機会があれば実行していますが、アイデアが足りないのか、満足行く写真を撮れていません。
 変化の激しい都市部こそ「俯瞰鉄」写真の意義があるような気がしています。

 編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年07月24日   北海道   タグ : 根室本線

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