真夏の小湊鐵道

 真夏の撮影旅行といえば、中学生の時に行った筑豊本線の複々線区間や高校生の時に行った一畑電鉄を思い出します。もともと汗かきなのに、炎天下を歩けばどうなるかは自明のことです。服を着たままプールに飛び込んで出てきたようなものでした。そんなことを思い出しながら、小湊鐵道の駅旅をしてきました。どの地点でも30度を下回ることはありませんでした。

 新聞社の知人のお誘いを受け、その新聞社の女性編集者、鉄研に所属する高校生2人、それに『百駅停車』の杉﨑行恭さん一行にお供しました。五井で小湊鐵道の車庫を見学。きれいに保存されている古典機関車などを見た後、上総鶴舞に向かいました。行事の趣旨をよく聞かないままついてきてしまいましたが、真夏のひととき、ローカル私鉄に乗って、ローカル駅で降りて、弁当を食べ、鉄道の話をあれこれし、田んぼの中で撮影もして、楽しく過ごしてきました。tsurumai3.JPG上総舞鶴付近
tsurumai.JPGtsurumai2.JPG上総舞鶴駅(左) 出札窓口(右)
 一行は撮影が終わったあと、上総中野行きに乗って行きました。その列車を見送って、今度は編集部スタッフの車で、駅の撮影に向かいました。五井に向かってひと駅ずつ撮影していきます。
 上総川間駅は田んぼのなかに、片面ホームがあるだけの駅です。ホームに待合室だけ。駅舎はありません。小湊鐵道で戦後開業したのはこの駅と光風台だけです。ホームの反対側の田んぼ側から撮ってみると、夏らしい良い写真が撮れました。津軽線大川平駅を思い出します。kawama.JPG上総川間駅
 私が訪れた駅のうち、上総鶴舞、上総牛久、馬立、上総山田、海士有木の駅舎はほぼ同形の「似た者駅舎」ではないかと思いますが、なにせ建物が古いので、いろいろなところに手が入っていて、断定しにくいのです。ついでに言えば出札窓口も同形です。いずれも大正14年3月7日小湊鉄道開業時の駅です。
matate.jpgyamada.jpgamaariki.jpg(上)馬立 (左)上総山田 (右)海士有木
 もしこの駅舎が開業時のものであれば、とても貴重な文化財ですね。心配は上総牛久以外は無人駅だということです。建物は使わなくなると急速に生気を失います。このブログでも何度か触れたように、駅舎もできれば「動態保存」したいものです。
 小湊鐵道はそれなりに列車本数もあり、駅の撮影時に列車を入れて撮影することができました。駅の写真と行っても、やはり車両があるのとないのとでは違いますね。

 真夏の1日、古い車両と古い駅舎を堪能してきました。それにしも暑かった......。

 編集部 田中比呂之(ひろし)  

2013年08月06日   関東   タグ : 小湊鐵道

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