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幼児鉄道教育「ウエルカム三才児」

 先日、母から電話があり「近頃、あんたを青木橋に連れて行った時のことを何度も思い出すんだけど、何でだろう」などと言い出し、返答に窮しました。母は昭和と同じ年齢です。家族は私が3歳から6歳まで東横線東白楽駅から徒歩10分ぐらいの借家に住んでいました。母は30代半ばから後半になる年齢です。

 その借家から東海道線東神奈川〜横浜間に架かる青木橋まで、電車を見せるために何度か私を連れて行ったようです。私にはかすかな記憶しか残っていません。その橋の上で、「こだま」が来るまで帰らない、と言い張ったそうです。この話は母から何度も聞かされました。
 今で言えば「ママ鉄」ですね。小学校6年生の夏休みには、やはり母に連れられて房総を一周しました。これは夏休みの課題として、写真付きのレポートを書きました。切符も貼ってあったかもしれません。外房線の列車が大網でスイッチバックしたことや千倉まで来ると、横浜線や南武線で見られる茶色の電車が停まっていたことに驚きました。
 思えばこの時に車両だけでなく、列車に乗って揺られる楽しみ、スイッチバックや電化といった鉄道全般に興味をもつようになったのかもしれません。鉄道ファンには、後天的にファンになる人はいない、気がついたら鉄道ファンになっている、というのが私の持論ですが、やはりどこかで「指導」や「善導」がないと育たないのかもしれません。

sansai.jpgsansai2.jpg  先日同僚から信越本線三才駅の話を聞きました。もちろん三才駅の存在は知っていましたが、まさか「幼児鉄道教育」の場になっていることは知りませんでした。駅名標、入場券、駅スタンプと、基本が揃っています。同僚の話では、駅名標の前には記念撮影をしようとする人々の行列ができていたそうです。
 地元の「ウェルカム三才児プロジェクト」のパンフレットの中に、「三才駅を起点にして周辺の観光地へ」というコラムがあります。ここは是非、観光地ではなく、中古電車の動態保存博物館となりつつある長野電鉄に足を伸ばして欲しいですね。営団3000系、小田急ロマンスカー、NEXなどなどが余生を過ごしていて、車両的にはとても面白いので、子供たちも満足するに違いありません。
 大人の「善導」こそ子供たちの可能性の芽を育てることになります。慌てず騒がず、じっくり「鉄」の道へ導きましょう。sansai3.jpg

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年08月16日   北信越 / 関東

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