日本航空と全日空

 先日、東北本線関連の駅スタンプを一気にアップしました。このブログでも何度かご紹介しました「新金沢文庫」のコレクションです。昭和30年代から40年代の駅スタンプです。その中に気になるスタンプがありますので、ここであらためてご紹介します。

 ふたつのスタンプを較べてみると、絵柄はほぼ同一ですね。実は整理するまで、2つあることに気づいていませんでした。一方は昭和33年5月3日ふるまき駅、もう一方は昭和36年11月28日みさわ駅、です。古間木駅は明治27年4月1日日本鉄道の駅として開業しています。十和田湖観光の玄関口。大正11年には 十和田鉄道(のちの十和田観光鉄道)が 三本木まで結びます。
 そして昭和36年3月20日に 古間木は三沢に改称されました。2つのスタンプは、この改称を挟んで、押されています。お気づきのように、鉄道スタンプとしては珍しく、空路の案内まで刻まれています。昭和33年が日本航空、昭和36年が全日空。区間はどちらも東京~三沢~札幌です。
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 私は飛行機に関してはほとんど知識がありません。それで時刻表に出ている飛行機の時刻を調べてみましたが、日本航空の東京~三沢~札幌という便が見つかりません。全日空の歴史を調べてみると、昭和27年にこの区間の飛行を始めたとなっています。
 ちなみに手元にある昭和36年1月号の『時刻表』で、東京~古間木(三沢)間の鉄道と飛行機を比較してみましょう。全日空の東京~三沢は、1日1便で、東京(羽田)発9時20分、三沢12時55分着です。途中仙台に寄ります。3時間35分で7100円です。鉄道は急行「みちのく」が上野発9時20分で、古間木22時14分着、12時間54分で、1等2780円、2等1160円です。
 この当時、飛行機を利用する人がどれくらいいたのかはわかりませんが、飛行機で十和田観光をする人の姿を想像するのは難しいですね。
 ここまで書いてきて、このスタンプ、三沢駅のものではなく、十和田観光電鉄の三本木のスタンプかもしれないと思い始めました。国鉄駅のスタンプに飛行機のアクセスを入れるでしょうか。十和田観光電鉄であれば、古間木または三沢までは鉄道で来ようが、飛行機で飛んで来ようが、どちらでもかまわないですね。
 スタンプは調べ始めるとなかなか奥が深くて、楽しい。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年08月21日   東北   タグ : 十和田観光鉄道

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