ホーム > Web日本鉄道旅行地図帳 BLOG 悠悠自鉄 > 九州・沖縄 > 筑豊本線の「先端」区間を乗ったり降りたり
筑豊本線の「先端」区間を乗ったり降りたり

 筑豊本線若松駅近くのホテルに泊まり、朝は「若松バンド」と呼ばれる洞海湾沿いを散歩する。目の前に若戸大橋が見える。

 今日は筑豊本線の若松~折尾間の駅を全部撮影する、といっても5駅です。この区間には1度しか乗ったことがありません。全線完乗を目指していた平成3年3月25日に折尾から若松に向かって乗車しました。この日で九州全線完乗。記念すべき日は、終着駅で終えることにしていました。
 筑豊本線は若松~原田間の路線。現在折尾~桂川間は電化されて、新型電車も走りますが、若松~折尾間、桂川~原田間は非電化で、特に桂川~原田間は見放されたような状態。それに較べると若松~折尾間は、昼間1時間に2本の列車が走り、そこそこ需要があるようです。しかも全線複線のまま。
c-1.JPGc-2.JPG▲(左)若松駅駅舎 (右)操車場跡地の説明板
 若松駅に行ってみると、駅舎にまったく見覚えがありません。全乗当時の日記を見ると、改札を出ないでそのまま折り返したようですね。駅舎はこじんまりとしているのに「若松駅」の看板が大きい。
 この駅が昭和16年には貨物取扱量全国1位となりました。大正時代に建てられた2代目駅舎の写真を見ると、横長の風格のある駅舎です。残念ながら、そんな過去の栄光の痕跡はほとんどありませんでした。広大な操車場は、久岐の浜ニュータウンとなって、マンションが並んでいて、空き地には9600が保存されていました。
c-3.JPGc-4.JPG▲(左)藤ノ木駅駅舎 (右)奥洞海駅駅舎
c-5.JPGc-6.JPG▲(左)二島駅駅舎 (右)本城駅駅舎
 藤ノ木、奥洞海、二島の3駅はいずれもコンクリート駅舎。九州には雨風に強いコンクリート駅舎が多いと聞きますが、この路線も例外ではありませんでした。どの駅も構造がシンプルで掃除も行き届いていました。橋上駅の本城を含めてこの区間の駅はすべて有人。やはり有人駅は掃除もされ、生気がありますね。
 気温は32度前後。乗ったり降りたり写真を撮ったりしていると、ボーッとしてきました。5駅しか撮影していないのに、もう疲れてきました。ひと駅ずつしか乗らないので、車窓にも注意が行きません。折尾に着く頃にはぐったりしていました。
c-7.JPGc-8.JPG▲(左)折尾駅の名駅舎は解体された (右)新駅舎の完成予想図
 折尾は名駅舎が解体され、駅全体が大工事中。迷路のような薄暗い階段もなくなります。かつて「あみだくじ」のような路線網だった筑豊の入口にあって、「魔界の門然」とした折尾駅が、ガラスと白い鉄骨の駅に変身するのは、信じられないような、許せないような複雑な気持ちでした。
 ホームに上がると、ソニックが真っ白な車体の817系電車を追い抜いて行きました。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年09月20日   九州・沖縄   タグ : 筑豊本線

PAGE TOP