ホーム > Web日本鉄道旅行地図帳 BLOG 悠悠自鉄 > 関東 > 碓氷峠ハイキングの奨め
碓氷峠ハイキングの奨め

 40代の頃、つまり10年以上まえのことですが、廃線跡歩きのマイブームがありました。毎月1回はどこかへ出かけていました。廃線跡歩きは、原則全区間を歩くことを旨としていましたが、15kmを越えるコースはその日の体調によって、途中で断念することもしばしばでした。

 碓氷峠の廃線跡を歩いたのは、平成17年の秋が最初でした。これまで勾配線区の廃線を歩いたことはほとんどありませんでした。大分交通耶馬溪線は勾配線ですが、この時はバスで守実温泉まで行って、緩い下り坂廃線跡を1日かけて下ってきました。
us-2.jpgus-1.jpg▲(左)ここが「アプトの道」起点
 (右)碓氷峠の主役も今は碓氷鉄道文化むらに

 碓氷峠の廃線跡は、現在横川から熊ノ平まで「アプトの道」として整備されています。複線の上り線(熊ノ平→横川)を舗装しつつも、線路が埋めてあるのがわかるようになっています。頭上には架線も残っていますし、このあたりの整備の仕方は鉄道ファンの心をくすぐります。下り線(横川→熊ノ平)は、線路がそのまま残り、「シェルパくん」という列車が碓氷鉄道文化むら駅から峠の湯駅までを往復しています。
us-3.jpgus-4.jpg▲(左)丸山変電所の右に見る
 (右)推進運転で客車を押し上げる「シェルパくん」

 峠の湯は今年火事があって、現在休館中です。平成17年にここ歩いた時は、帰りがけに温泉に入って食事をしました。このまま絨毯の上で寝てしまいたいと思ったものです。
us-5.jpgus-6.jpg▲(左)峠の湯駅でちょっと休憩
 (右)トンネルをいつも抜けながらだらだらと坂を登っていく

 峠の湯あたりから、旧線を歩くことになります。ややこしいですが、複線の新線と単線の旧線があり、もちろんどちらも廃線になっています。ここから単線の廃線跡を辿っていきます。有名な煉瓦のめがね橋まで5つのトンネルを抜けます。us-7.jpg
 2つ目のトンネルを抜けると、左手に碓氷湖が見えてきます。こんなところに湖があるのはちょっと意外です。ダム湖です。周辺には広場もあり、弁当を食べる場所としてはちょうどいいかと思います。会社の同僚と訪れたときは、ここで釜飯を食べました。

▲左手に見える碓氷湖
 ここから紅葉を堪能しながら歩いて、さらに3つのトンネルをくぐります。3つ目のトンネルを出ると、めがね橋の上に出ます。高いところが苦手な人は、下を覗かない方がよいでしょう。両側に紅葉した山が見えます。また右側の山の中腹あたりに新線の廃線コンクリート橋も見えます。私は高いところが苦手なので、橋の中央をまっすぐ前を見ながら渡りました。
us-8.jpgus-9.jpg▲(左)5つ目のトンネルを抜けるとめがね橋
 (右)新線の廃線コンクリート橋が見える

 現在はここから先、さらに5つのトンネルを抜けて、旧熊ノ平駅まで「アプトの道」は整備されたようです。3年前に訪れたときは、まだトンネルはフェンスで塞がれていました。橋を渡って、右へ降りていくとめがね橋の下に出ます。橋をくぐり国道に出ると、めがね橋全体を眺めることができます。先人の技術力の高さを仰ぎ見るようです。ここでは是非写真を撮りましょう。素人写真でもかなりカッコイイ写真が撮れます。
us-10.jpg▲めがね橋の国道から見る
 さて、ここから先、熊ノ平まではまだ歩いたことはありません。碓氷峠の中間駅として鉄道ファンには有名な駅で、私もここを通過する列車(急行「白山」や「信州」)の車窓からホームを何度も確認したものです。そのホームに立つことができるなら、横川から2時間歩く価値は十分あると思っています。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年10月04日   関東   タグ : 碓氷峠

PAGE TOP