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新たな鉄道系飲食スペース 旧万世橋駅

 仕事や同好の人たちとの会合で、しばしば「鉄道系」飲食店のお世話になります。「鉄道系」とは店内を鉄道グッズでかためている店のほか、実際の鉄道が眺められる店も含みます。

 まずしばしば利用させていただいている千代田線千駄木駅近くにある「せとうち」は、20年以上のお付き合いになります。椅子が新幹線0系のグリーン席だったり、トイレの扉が食堂車入口のものを転用していたり、壁には琺瑯製の駅名板が並んでいたりと、自然に鉄道話が進みます。テーブルがグランドピアノの蓋だったりするのですが、これは芸大の学生が出入りしていたからだとか。食事は1コースしかないので、注文しなくても運ばれてきます。なので話に集中できます。いつ行っても、店を出るときは楽しい気分です。
 私はもともと酒飲みではないので、お付き合い程度しか飲みませんが、相手が酒好きな場合には2軒目に「バー銀座パノラマ」に行くことがあります。銀座にあって、Nゲージの鉄度模型が走るのを見ながら、カクテルを飲むことができます。これもなかなか楽しい時間が過ごせます。新宿や渋谷にもあります。
 昨年新たな1軒を東京メトロ東西線木場駅近くに見つけました。「ア・タ・ゴール」というフランス料理店です。ガラス張りの店の前に「夢空間」の車両デラックススリーパー(オロネ25)が1両置かれていて、別に室料を払えば個室で食事をすることができます。店内のテーブルからも車両は見えます。店の前のスペースは、駅のプラットホームのようになっているので、駅で食事をしているような感覚でもあります。
 と長い前振りになってしまいましたが、ついにというべきか、ホーム上にガラス張りのカフェが登場したので、さっそく行ってきました。ガラス張りのカフェの両側を中央線のE223系電車が走っています。おそらくこのようなカフェは日本でただひとつではないでしょうか。
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 万世橋駅といっても馴染みがないかもしれません。昭和17年に廃止されていますから、現役当時のこの駅を知る人も今ではそう多くないと思います。交通博物館があったところといえば、かなりの人にご理解いただけるかと思います。秋葉原駅から5分もかからない場所です。
manse-3.jpg▲駅前に広瀬中佐の像が建つ煉瓦造りの万世橋駅(関東地方大震災写真帳 東京鉄道局より)
 煉瓦造りの高架の部分は明治45年の開通以来、現在でも中央線の電車が頻繁に往来しています。中央線の上下線の間に旧万世橋駅のホームが残っていました。これは電車からも確認できました。このホームと高架下のスペースが先月「MAACH」という商業施設に整備されました。ホーム上には「N3331」というカフェがオープンし、通過していくE223系(時にはE257系)電車を楽しみながら、酒や食事を楽しむことができます。夜11時まで営業しているそうですから、2次会にいいでしょう。昨日このカフェを訪れた際には、電車がすぐ横で信号待ちか何かで停車、乗客と視線が合うという希有な体験もしました。
 ホーム下の「LIBRARY」には万世橋駅のスタンプが置いてありました。このスタンプは、交通博物館時代に復刻したスタンプだそうです。ただし絵葉書10枚買わないと、押印することはできません。念のため。
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編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年10月18日   東京

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