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東照宮よりも神々しいJR日光駅

 先週の銚子につづき、会社の同僚を連れて紅葉が終わりかけている日光に行ってきました。先週とは違うメンバーです。浅草ではなく新宿から出発しました。われわれの乗った「スペーシア日光」の30分前にも、千葉発の臨時「日光」が運転されていて、日光の観光もこの土日が今シーズン最後なのかもしれません。

 平成18年3月、新宿に東武のスペーシアが乗り入れてからはや7年の歳月が流れています。ご存知のように、日光へは東武と国鉄の熾烈なスピード競争が戦前から繰り広げられていました。それが今やJRに東武の看板列車が乗り入れている。隔世の感とはこのことです。
 以前新宿発の「スペーシアきぬがわ」の個室で対談をしていただいたことがあり、それ以来の個室乗車になりました。東武日光線に乗るたびに、関東平野の広さを実感します。因みに東武鉄道にはトンネルが1カ所しか存在しません。快晴の空に山々が近づいてくると、坂を登りはじめ、下今市を過ぎると杉並木も見えてきます。JRの日光駅の裏側を通って東武日光に到着。ホームに植えてある木が見事に色づいていました。
20131125_01.JPG 20131125_02.JPG ▲(左)そば祭のシールをつけている(右)列車を降りると紅葉がお出迎え
20131125_03.JPG20131125_04.JPG ▲(左)東武日光駅(右)陽光に浮かび上がるJR日光駅
 東武日光駅の駅舎は巨大なロープウェイ駅のような三角屋根です。駅舎内も駅前もごった返していました。さすが国際観光地の玄関です。西洋人たちもたくさんいましたし、われわれと同じ顔をして違う言葉を話す人たちもたくさん見かけました。駅前のバス乗り場は長蛇の列でした。
 われわれはまずJR日光駅に向かいました。同僚たちはおそらく予告しておいた金谷ホテルのカレーライスに意識が行っているはずですが、日光観光はまずJR日光駅からです。そもそも「スペーシア日光」は、東武日光の手前でJRに転線してこちらに到着すべきでしょう。
20131125_05.JPG絵葉書のように撮ってみた
 歩いて5分もかからない道のりです。前方に神々しく日光駅舎が輝いていました。東照宮へ行くにしろ、華厳滝に行くにしろ、まずこの駅舎の神々しい姿を見てから出発してもらいたい。お参りをするような気持ちで駅舎を崇めて、いや見学してから神橋に向かいました。
 だらだらと上り坂を歩きました。横を渋滞の車がノロノロと走っています。かつてこの道は東武軌道線が走っていました。そんなことを考えていると、架線柱らしきものを発見。これは確認していませんのであくまでも「らしきもの」ということにしておきます。それにしてもかなりきつい勾配ですね。
20131125_06.JPG 20131125_07.JPG ▲(左)これは日光軌道線の遺構か(右)お土産屋の軒先にこんなものも
 神橋付近もごった返していました。写真を撮りながら、かつてこの神橋の横を通ってカーブしながら橋を渡っていた日光軌道線の電車や貨物列車のことを想像しました。今も線路が残っていて、スイスのように電気機関車が客車を牽いて馬返まで行っていたらどんなに楽しいだろうと。それこそ世界遺産にふさわしいと思います。日光軌道線は昭和43年に廃止されました。
20131125_08.JPG ▲かつて横の道を軌道線の電車や貨物が走っていた
20131125_09.JPG20131125_10.JPG ▲(左)三仏堂は平成の大修理中(右)とにかく人がたくさんいた
 このあと、金谷ホテルでカレーライスを食べ、お決まりの東照宮巡ってきました。「国際的な人々」でごった返す世界遺産に辟易しながらも、紅葉した木々に光があたって柔らかな陰影をつくる景色を見ながら散策を楽しんできました。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2013年11月25日   関東   タグ : 日光

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