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島越の変わりゆく風景は、三陸鉄道「復活」の足取り

 9月2日のこのブログで紹介しました「ユイと大吉が見た風景」は、三陸鉄道北リアス線島越駅付近でした。狭い入江と駅と周辺にあった何もかもが津波で破壊された風景は衝撃でした。私は震災後の4月30日に島越へ行き、衝撃の風景に圧倒されました。

 コンクリート高架橋が折れ曲がり、瓦礫となり、駅舎の場所には基礎だけが残されていました。ホームへ行く階段は途中でその先がなくなっていました。頭上には高架橋もホームもありません。すでに片付けが始まっていたのですが、住宅があったのかどうかもわからない状態でした。
 その東日本駄震災から2年半以上が経過し、島越付近の線路は着実に復旧に向かっています。この光景は、そのまま三陸鉄道の復興への着実な歩みの象徴と言えると思います。先週、三陸鉄道から最近の様子を写した写真をご提供いただきましたので(すでにアップしています)、島越駅付近の震災前の写真とともにご紹介いたします。
20131209_01.jpg ▲投稿:df200-7atさん
 この写真は平成17年です。青いとんがり屋根が島越駅駅舎です。駅周辺にはたくさんの家があります。後ろにある山の木々が青々していますね。
20131209_02.jpg ▲提供:三陸鉄道
 震災から1ヶ月後の4月11日の写真です。津波は何もかもぶち壊して行きました。
20131209_03.jpg ▲提供:三陸鉄道
 今年2月の写真です。田野畑寄りに基礎工事が進んでいます。三陸鉄道の築堤は、島越付近の生活を守る堅固な防潮堤の役割も担うことになるのでしょう。その意志が十分に伝わってくる巨大な穴です。
20131209_04.jpg ▲提供:三陸鉄道
 この写真が最近の島越です。巨大な築堤ができあがったようです。舗装もされて今にもBRTが走ってきそうです。冗談です。震災の際、南リアス線甫嶺付近と陸前赤崎付近の築堤が、防潮堤の役割を果たしたことを参考に、ここ島越駅付近もコンクリート高架ではなく、築堤での再建を決めたそうです。
 4枚の写真で三陸鉄道が着実に復興に向けて歩んでいることがわかりますね。実は現在三陸鉄道の本を編集中です。津波によって線路が破壊され、文字通り会社存亡の危機に直面した三陸鉄道が、できることを着実に実行した成果が来年4月に結実する「復興の物語」です。
 今後も三陸鉄道の様子を随時お伝えする予定です。

編集部 田中比呂之(ひろし)  

2013年12月09日   東北   タグ : 三陸鉄道

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