ホーム > Web日本鉄道旅行地図帳 BLOG 悠悠自鉄 > 本の話 > 『世界の路面電車 ビジュアル図鑑』を楽しむ
『世界の路面電車 ビジュアル図鑑』を楽しむ

 路面電車はとても気になる存在なのですが、あまり深入りはしていません。身近に路面電車が走っていないことも関係あるかもしれません。小学生の頃は横浜市内にも路面電車が走っていましたが、親しむほど近くにはなくて、その後も生活圏に路面電車がないまま、大人になってしまいました。

20140108_01.jpeg 一日乗車券を買って、乗ったり降りたり、電車と町を楽しむことは日本でも海外でも何度も経験があり、楽しい思い出として残っています。
 ちょっとだけ高い視線で町を眺め、車庫があったりすると次の電停で降りたりします。そういう気軽なところが路面電車のよいところでしょう。軌道があるので、バスのように知らないところに連れて行かれる心配もありません。海外でも安心です。
 正月休み中に『世界の路面電車 ビジュアル図鑑』という本を買いました。この本の存在は、昨年『名古屋市電』(ネコ・パブリッシング)三部作を上梓された服部重敬さんから教えてもらっていたのですが、ようやく手に入りました。帯には世界50カ国415都市の路面電車を収録、と謳っています。たいへんな数です。しかもオールカラー448ページ! 写真点数2700枚以上とあります。たいへんな労作です。さらに本体価格2700円、この価格には驚きました。小社でこれを編集したらいくらになるだろうと考えてしまいました。
 著者は杉田紀雄さんという方で、電機メーカー退職後に写真を撮り始めて、415都市の路面電車を1冊の本にまとめてしまったのですね。頭が下がります。448ページに2700枚以上の写真を詰め込んだために、説明不足は否めません。欲を言えば切りがありませんが、路線の簡単な説明があればもっと楽しめたかも知れません。それでも圧倒的な写真の数です。ロシアの飛び地カリーニングラードの路面電車は初めて見ました。もう少し背景の街並みも見たかったですね。
 発行元は北海道新聞社です。鉄道系ではない発行元としては、鉄道書籍が多いような気もします。私の本棚に何冊も北海道新聞社の鉄道系書籍がならんでいます。北海道ものが当然多いのですが、伝統的にここの出版部門には鉄道が好きな編集者がいらっしゃるのでしょうか。
 しばらくじっくりと眺めさせていただきます。最後に私のお気に入りの路面電車の写真をご紹介します。これはオーストリア・リンツ郊外の私鉄で、とんでもない勾配を上り下りしている路面電車です。
20140108_02.JPG
20140108_03.JPG20140108_04.JPG

追伸 
「小心火車」さま、秩父鉄道の写真をトップページでしばらくお借りします。

編集部 田中比呂之(ひろし

2014年01月08日   本の話

PAGE TOP