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切符蒐集家・橋本玲子さんの寒中見舞い

 切符蒐集家の世界で橋本玲子さんの名前を知らない人はいないそうです。昨年11月から12月にかけて東京杉並区立博物館分館で、橋本さんのコレクションのほんの一部が公開されていました。

 そこには記念切符が多めに展示されていました。一般向けにはデザインも形もバラエティがある記念切符の方が分かりやすいのでしょう。もう少しいろいろ拝見したいと思って、橋本さんのお宅を訪ねました。
 橋本さんは鉄道グッズに囲まれて生活されていました。鉄道ファンの家にはこういう家は少なくないのですが、居間の奥の6畳ほど部屋に通されて、文字通り仰天しました。切符を整理したファイルが天井まで整然と並んでいました。私の知り合いの切符蒐集家がしばしば橋本さんを訪ねるわけが分かりました。きっちりと整理されているので、目的のものはすぐに見つかるのです。
 それに橋本さん自身が何がどこにあるのか把握していて、見たい切符がすぐに目の前に現れます。私は「幸袋の切符はありますか?」と言うと、すぐにファイルが取り出され、切符だけではなく資料も一緒に目の前に現れました。筑豊の幸袋線は、戦後国鉄で廃止第1号の路線です。北海道の根北線越川駅の切符も同様にすぐに出てきました。
 どれだけの数の切符がこの部屋にあるのか、橋本さんも把握されていないそうです。昭和20年代、女子校生の頃から蒐集が始まり、結婚や出産といった人生の節目も乗り越え、蒐集を続けてきたそうで、「切符の部屋」にはその気迫が漂っているような気がしました。
 切符交換の友人が増えすぎて、年末の忙しい時期に年賀状を準備することが難しくなり、新年の大寒を過ぎた頃に「寒中見舞い」を出すようになったとのこと。この頃になるとポストに郵便物が少なくなり、ポツンと郵便受けに葉書が入っていれば嬉しいに違いないと橋本さんはおっしゃっていました。
 今年は約600枚の「寒中見舞い」を出されたそうですが、その1枚をいただきました。写真は佐渡の「尖閣湾達者」というバス停の写真です。「尖閣」の文字にドキッとしました。「達者」をキーワードに文章が綴られています。橋本さんにお許しをいただきましたので、ここにご紹介させていただきます。
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 これまでは鉄道駅の駅名標の写真を使い、それに因んだ文章を綴られていきたそうですが、バス停の写真は初めて採用したとのこと。文章も達者です。
 橋本さんのコレクションもいずれこのWebでご紹介したいと考えております。膨大なコレクションから三陸鉄道の開業当時の切符をいくつかお借りしてきましたので、ご紹介します。
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編集部 田中比呂之(ひろし) 

2014年01月21日   その他 / 東北   タグ : 三陸鉄道

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