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鉄道模型ファンはもっといますよ、きっと

 昨日の『日本経済新聞』文化欄に『鉄道模型趣味』編集長の石橋春生さんが寄稿されていました。ふだん日経を読むことはありませんが、会社の先輩がこの記事のことを教えてくれました。

 私は「模型熱狂時代」に毎月熟読していました。10年ほど前のことです。ただし工作派ではないので、熟読しても実践することはほとんどありませんでした。それでもジオラマの情景造りには参考にさせていただきましたが。
『鉄道模型趣味』は紙面作りが手堅すぎて、工作派ではない私にはついて行けない面が多々ありました。むしろ季刊誌の「Nゲージマガジン」の方を愛用していました。この増刊号などを含めると今年で860号を発行することになるそうです。現在発行されている鉄道趣味誌の中では、最古参の雑誌です。
 ガリ版刷りの同人誌を初めて出したのが昭和21年。おそらく世の中は趣味をどうこうするという状況ではなかったと思いますが、それだけでも情熱が伝わってきますね。紙の入手にも苦労されたようです。
 それでも模型を造りたいという読者が、物のない時代に雑誌を支えてきたともいえるでしょう。情熱こそ趣味の原点です。時間もお金も使います。家族にゴミと言われようと、やめることはありません。
 子供の頃は親に買って貰った少ない線路と車両で我慢していますが、働いて少しでも自分の自由になるお金ができると、車両や線路は年々増えていきます。減ることは滅多にないでしょう。そして運が良ければ中年にさしかかってささやかなジオラマを手に入れることができます。その時のために『鉄道模型趣味』を読み続ける読者は多いのではないかと思います。
 山崎さんは今年85歳になるそうです。この雑誌の創刊時から関わり、現在は編集長です。自宅の地下室には各サイズの模型を走らせる多様なレールがあるとのこと。うらやましい限りです。そんな地下室があったら私は籠もりきりになるでしょう。
 最後の方にちょっと気になる一節があったので、ご紹介します。「日本の鉄道模型のファンは、合わせて10万人くらいというのが私の見立てである」。この数字、少ないですね。これは「模型工作派」人口のことでしょうか。
 この数字に反論する確たる材料を持っているわけではありませんが、日本には大小のメーカーいくつもあって、その人たちが毎月のように製品を送り出しています。さすがに10万人の市場ではやっていけないのではないかと思います。「ではお前の見立てはどうなんだ」と言われると困りますが、時々「鉄道ファンは何人ぐらいいますか」と聞かれたとき、ある例を出して「100万人」と答えます。鉄道模型ファンの数字を見立てる場合の「ある例」はありませんが、鉄道ファンの5割から6割が鉄道模型に興味を持っている印象ですので、そこから導き出される数字は50万人から60万人ということになります。これが私の見立てです。
 同好の大先輩に反論するようで恐縮していますが、日本を代表する経済紙の文化欄に掲載された記事だけに、ちょっと気になりました。

編集部 田中比呂之(ひろし)
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2014年03月05日   鉄道模型

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