全線完乗をめざしていた平成初期の頃、車窓から見える駅や町を見て、いつか降りてみたいと思った駅は百は下らないでしょう。休日はほとんど完乗のために費やした印象がありますが、それでも月に2回または3回出かけるのがせいぜいでした。
平成7年1月に完乗を果たしてからは、新線ができると乗りつぶしにでかけました。その時も車窓から見る駅や町を見て、いつかと思っていました。だいたい「いつか」は来ないことがほとんどですが、この1年余り、Webのために駅を撮り歩いているので、降りたいと思った駅にときどき降りることがあります。「いつか」は来ることもあるということでしょうか。
乗りつぶしでは、乗換え以外はほとんどの駅に降りません。せいぜい車窓でホームを見る程度です。それが近頃は駅舎やホームや跨線橋をじっくり眺めたりして、写真にも収めています。期せずして(大抵の場合はそうなのですが)居心地の良い駅に降りると、予定を変更して1、2本電車を遅らせることもしばしばです。
趣味を仕事にしてしまった功罪の「功」の部分が、近頃の駅めぐりマイブームでしょうか。車窓からは見えない駅の顔を見るのが、大きな楽しみです。もちろんそうそう居心地の良い駅に当たるわけではありません。
先週の土曜日は横須賀線の4駅に下車してきました。最初は東逗子。全駅撮影の目的があるからこそ降りた駅ですが、何の変哲もない駅でした。新しくもなく古くもなく、と思って建物財産標を見ると「昭和27年3月29日」になっていて、開業当初の建物のようです。
逗子に移動して、5分停車の間に改札を出て駅を撮影しました。電車は改札口前の1番線に停車していました。グリーン車は改札前の位置にあります。横須賀線のグリーン車の位置は、東海道本線の電車と位置が違います。これは113系の頃もそうでした。不思議に思っていたのですが、逗子での停車位置を見て、さらに次の鎌倉の停車位置を見て納得しました。鎌倉では階段横にグリーン車の停車位置があります。
外国人観光客の姿が目立つ鎌倉駅を撮影し、スタンプを押しました。スタンプ蒐集家の人たちには知られていることかもしれませんが、鎌倉駅のスタンプは、毎月デザインの違うスタンプを置いています。私は先月鎌倉に来たときにそのことを知りました。「鎌倉スタンプ帳」なるものも駅のニューデイズに200円で売っています。表紙と3月、4月のスタンプを紹介しておきます。これで毎月鎌倉に行くことになるかもしれません。スタンプは自分で押したものです、念のため。
北鎌倉周辺にも外国人観光客を含めたくさんの人が徘徊していました。車庫の作業台のような北鎌倉駅ホームの写真を撮って、喧噪の北鎌倉をあとにしました。
大船では下車しませんでした。Webの大船駅のページに、昭和初期の大船駅の写真をアップしてあります。これは「日本地理大系」関東編からの複写です。現在観音像が建っているあたりから撮影したものです。駅の規模は昭和初期から変わっていないようにも見える俯瞰写真です。会員限定ですので、会員の方は是非ご覧ください。
今後「日本地理大系」に掲載されている昭和初期の鉄道写真を順次アップしていく予定です。
編集部 田中比呂之(ひろし)