一昨日のブログのつづきです。入場券の戦後編です。先日も触れましたが、インフレで毎年のように値上げが行われています。昭和17年に10銭に値上げされ、終戦後最初の値上げが昭和21年でした。このあと昭和26年まで5回の値上げが行われています。
私は20銭から5円の入場券を見たことがありません。4ヶ月しか発売されなかった「50銭入場券」はかなりの希少価値でしょう。昭和26年に10円に値上げされてから、昭和41年まで入場券は10円時代が続きます。この10円入場券は古いわりにはよく見かける切符です。やはり年月が長いからでしょう。値上げの日と期間をまとめてみました。
昭和21年3月1日 20銭
(1年)
昭和22年3月1日 50銭
(4ヶ月)
昭和22年7月7日 1円
(1年)
昭和23年7月18日 3円
(9ヶ月)
昭和24年5月1日 5円
(2年6ヶ月)
昭和26年11月1日 10円
前述しましたように、昭和26年に10円になった入場券料金は昭和41年まで値上げされません。この間にもインフレは進んでいたはずですが、最低運賃は据え置かれます。昭和41年以降の値上げを見ていきます。
昭和26年11月1日 10円
(14年4ヶ月)
昭和41年3月5日 20円
(3年2ヶ月)
昭和44年5月10日 30円 *昭和44年11月15日小児料金新設
(7年6ヶ月)
昭和51年11月6日 60円
(1年8ヶ月)
昭和53年7月8日 80円
(11ヶ月)
昭和54年5月20日 100円
(1年11ヶ月)
昭和56年4月20日 110円
(1年)
昭和57年4月20日 120円
このあと昭和59年4月20日、東京・大阪国電区間は120円のまま、それ以外を130円に、さらに昭和60円4月20日には「それ以外」を140円に引き上げ、昭和62年4月1日の国鉄分割民営化を迎えます。こうしてみると80円から110円の時代はそれぞれ1年前後の時期しかなく、発行枚数は少ない可能性がありますね。いずれも東北本線ですが、80円、100円、110円の入場券がありますので、ご紹介しておきます。
余談ですが、昭和59年の改正では、私鉄との共同使用駅で、私鉄に委託されている駅はその私鉄の料金に合わせたと、参考にしたサイトには書いてありますが、こんな切符もあります。もう少し前からこの制度があったのではないでしょうか。
切符はいずれも「荒川良夫コレクション」
編集部 田中比呂之(ひろし)