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みんな見ている東海道新幹線の沿線風景

 連日になり恐縮ですが、今日も東海道新幹線について触れます。新幹線の車窓を紹介する本を編集中ということは昨日も書きました。よくよく考えてみると、他路線の車窓を紹介するのとはかなり趣が異なります。

 車窓絶景を紹介する本は私も関わったことがあり、同類の本は書店に山積みされています。基調は「こんなに素晴らしい景色が見られます」ですね。ところが東海道新幹線の車窓を紹介する場合、「みなさん、よく知っているあの景色は実はこういうところなんです」となります。
 1日40万人が利用するという東海道新幹線です。沿線風景といっても「見慣れた風景」ですね。一見さんが少ない車窓です。とはいえ通勤で乗る路線ほど見飽きているわけでもありません。
 昨日社内で同僚何人かに聞き取りをしてみました。「新幹線の車窓で、特に注目している景色、建物などがあるか?」「必ず確認する風景、建物などがあるか?」。私は関西方面に向かったとき、東海道本線の野洲の車両基地が見えると、関西に来たなという実感が湧きます。ですので、必ず野洲の車両基地を目で追っています。
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 京都出身の同僚は、小田原を過ぎて家の密度が高くなってくると「東京に来たな」と思うと言います。これは特定の景色ということではありませんね。またある関西在住の作家が、「関東地方は木が大きい」という感想を漏らしていたということを別の同僚が教えてくれました。
 京都を過ぎて山崎付近にさしかかると進行方向右側にサントリーの建物が見えてきます。このあたりでは私は専ら東海道本線や阪急電車に注目していますが、このあたりに教会があって、それを必ず「確認」するという同僚もいました。
 短い時間に聞き取りをしただけでも、これだけの例が出てきました。他にも看板やソーラーパネルなど聞けば聞いただけ「注目車窓」が出てきます。そういう意味でも、東海道新幹線の車窓は「日本で一番見られている車窓だ」ということがわかります。
 夜は夜景も楽しんでいます。近年の私の注目は浜松付近にあるイオンです。最初に気づいたときは確かひとつしかなく、かなり大きなイオンだなと思っていました。それからしばらくして(といっても数年は経過していると思いますが)、近くにそれよりさらに巨大なイオンが登場しました。
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 この巨大なイオンが夜はまさに不夜城といった趣で暗闇に浮かび上がっています。上りの新幹線に乗車するのはたいてい夜になるので、確認ポイントの多くは目にすることができないだけに、この不夜城イオンは見逃せません。
 読者の皆さんにも独自の確認ポイント、他人に言うほどのことでもない密かな車窓の楽しみがあるかと思います。新幹線車窓に馴染んでいる多くの皆さんとその楽しみを共有できるような本にしたいと思っています。
 8月末、刊行予定です。

編集部 田中比呂之(ひろし)

2014年07月10日     タグ : 東海道新幹線

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