この区間の全駅撮影はかなり前に計画をしていながら、なかなか果たすことができず、ようやく先日の日曜日に決行しました。関東地方にあってこの区間は私にとってはあまり親しみがない区間です。何度も通過しているにもかかわらず、です。東北本線の宇都宮〜黒磯や上越線高崎〜水上なども同様です。
猿橋〜相模湖間のうち相模湖と藤野は神奈川県で、この2駅に降りると神奈川県JR駅全制覇かと思いきや、御殿場線にまだ乗り降りしていない駅がいくつもあることが帰宅後判明しました。「さとたか」さん、やはり全駅乗り降りは偉業ですね。
菊名から横浜線の快速に乗って八王子へ。横浜線にはすでに205系はいません。八王子から高雄へ行き、30分の接続で小淵沢行きに乗りました。30分の接続というだけで、すでにローカルな気分になりました。まず猿橋へ向かいます。大月まで行くどうか迷いましたが、富士急巡りの機会もあるでしょうから、猿橋で降りることにしました。115系長野色6両編成は意外に混んでいました。
▲(左)猿橋駅(右)211系のドアボタンの案内
猿橋はコンクリートの橋上駅舎。駅舎を撮影していると211系長野色帯車が来ました。長野に配置されたのは知っていましたが、こんなところにまで、というか立川まで来ているのですね。駅のポスターによると6月からのようです。
ひとつ戻ると鳥沢です。「otome-c56」さんが雪に埋もれた鳥沢駅舎の写真をアップされています。実はこの時まで鳥沢駅の存在を知りませんでした。猿橋〜鳥沢間にある鉄橋は撮り鉄には有名だそうで、カメラを構えている同好の人たちを車内から見かけました。
家を出るときは雨が降りそうでしたが、ここでは夏空が広がって汗がしたたり落ちます。鳥沢駅付近をうろうろして、大きな木造家屋などを見た後、狭い駅前で木造駅舎を眺めました。明治35年の開業で、それ以来の駅舎のようです。
▲鳥沢駅駅舎
電車はほぼ30分毎に来ますから、1駅の滞在時間は30分です。次の梁川はログハウス駅舎でした。崖の上に駅があって駅前広場もなく、ログハウス駅舎の中で紅茶花伝を飲みながら次の電車を待ちました。
次は四方津です。猿橋〜相模湖間で唯一下車したことがある駅です。山の上にあるコモア四方津に住んでいる人を訪ねたことがあります。コモアという響きは、絶滅してしまったムード歌謡を歌うグループの名前を連想させます。
▲(左)四方津駅(右)斜行エレベーター
四方津も典型的な木造駅舎でした。前の山を見上げるとコモア四方津へ登る斜行エレベーターの覆いが見えます。見慣れない者には奇観です。木造駅舎と斜行エレベーターが静かな山の中に同居して、時々列車の通過音が聞こえてきます。
山梨県と神奈川県の県境にあるのが上野原市。上野原駅はホーム上に駅舎がある珍しい駅です。そのためかホームがかなり広い。やはりホーム上に駅舎がある弁天島や東秋留もホームは通常よりかなり広くなっています。
▲(左)ホーム上に駅舎の屋根が見える(右)広いホーム
山側の狭い場所にバス乗り場あり、富士急のバスが何度も切り返して方向転換をしていました。「広報うえのはら」によるとここからバスで20分ぐらいのところに棡原(ゆずりはら)というかつて長寿で有名だった村があるそうです。昭和30年代から40代にかけて「長寿村」ということでテレビなどに取り上げられ、村の郷土料理が「長寿食」と持て囃されたと書かれています。昭和天皇もこの村を訪れたようですね。
そして神奈川県に入って藤野。モダンな駅舎でした。駅前の商店の店先で煙草を吸っていると、E259系が通り過ぎて行きました。中央本線にはいろいろな車両が走っていて、それだけでも楽しめます。
▲(左上)藤野駅(右上)藤野を通過するE259系(下)相模湖駅
相模湖は大きなコンクリート駅舎です。駅前ロータリーも広い。ちょっとした観光地の玄関駅ですね。駅周辺をうろついているときに見た塾の壁には、高校の合格者数が掲示されていました。その高校名を見て、ここはやはり神奈川県だということを教えてくれました。
かなり蛇足ですが、高校駅伝の神奈川県予選はこの相模湖湖畔で行われています。それはともかく、これで中央本線は東京から猿橋まで撮影が終わりました。相模湖から東京行きのE233系快速電車に乗りながら、東浅川臨時駅跡に行こうかどうしようかと迷いましたが、またの機会にすることにしました。
編集部 田中比呂之(ひろし)