ホーム > Web日本鉄道旅行地図帳 BLOG 悠悠自鉄 > 駅めぐりの旅 > 休日駅めぐりの旅 上田電鉄別所温泉線
休日駅めぐりの旅 上田電鉄別所温泉線

 信越本線上田には何度も行ったことがあります。私が通っていた中学高校の施設が菅平にあり、林間学校やスキー教室やらで利用したからです。それだけならよい思い出だけが残っているはずですが、それを打ち消すぐらいの強烈な思い出もあります。

 高校時代はバスケット部に所属していました。このクラブの夏合宿が毎年菅平の施設で行われました。1週間ぐらいだったと記憶していますが、地獄の1週間でした。それでも合宿だけで終われば、のちの印象は違っていたかも知れません。合宿の最終日は菅平から上田に下りてきて、地元上田高校と練習試合をするのです。コーチが上田高校出身でした。
 上田高校は長野県の強豪校です。こちらは普通のクラブ活動です。最初から勝負は見えています。菅平の合宿後の試合は、100点ゲームになり、試合後はいつ終わるとも知れないダッシュが待っていました。古びた体育館の天井を今でも思い出します。
 上田というとまずこの夏合宿を思い出します。その上田を20年ぶりに訪れました。その間に新幹線も開通し、上田駅は大きく変貌していました。変貌していたのは、JRだけではなく上田電鉄ののりばも大きく変貌を遂げていました。しなの鉄道の橋上駅舎からそのまま上田電鉄ののりばに段差なくつながっています。ボロボロの跨線橋と駅はなくなっていました。
20140917_01.jpg ▲投稿:ビヤダルさん
 ちょっと信じられない思いを抱きながらも、電車の出発時間が迫っていたので急いでホームに行きました。待っていたのは元東急1000系です。とりあえず別所温泉まで行くことにします。この日は上田に着くのが遅くなり、全駅撮影する時間がありません。
 進行方向右側の夕陽があたる側の景色を見ながら、帰路下車してみる駅を物色します。下車意欲が湧く駅がないまま、下之郷まで来てしまいました。ここで上り電車と交換するので、ホームで写真を撮ったりしましたが、下車するほどではないかと思いつつ、電車に戻りました。
 次は中塩田です。なんだかモダンな駅です。無人駅ですが、町のシンボルになるような構えです。帰路下車駅はここにしようと決めました。別所に向かって登っていきます。
 八木沢のホームにはこれもレトロな待合室が建っていました。別所温泉からここまで歩いてみようかと一瞬思いました。待合室のベンチに座ってみたくなりました。急坂を登り別所温泉に到着。駅手前の側線には20年前と変わらず丸窓電車が留置されていました。集札は袴を履いた女性駅員です。
 ここは名駅舎です。同好が何人もいて写真を撮っていました。20年前と基本構造はかわっていませんが、整備されて綺麗になっていました。
20140917_02.jpg 20140917_03.jpg
 丸窓電車は留置線ではなく、完全に本線から切り離され駐車場の奥に押し込められるような形で保存されていました。駅や駅周辺を愛でているあいだに次の電車が登って来ました。各電車は別所に長居することなくすぐに折り返します。戻りの電車で中塩田まで行きました。
 元は2面2線の交換駅で、現在は片側を工事用車両の留置に使用していました。ネットで調べて見ると、多くの写真を見ることができます。その中に「想像をかきたてられる駅」と書いている方がいましたが、まさにその通りでした。私もしばしこの駅の往時を想像してみました。ローカル私鉄の対面ホームの交換駅には惹かれるものがあります。
20140917_04.jpg  こんな立派な駅舎できる経緯を知りたいと思いましが、調べきれませんでした。リニューアルの際にはかなりの金額をかけたことはわかりました。
 毎度よく調べもせずに訪れた上田電鉄ですが、この中塩田を知っただけでもちょっと充実した気分になりました。上田からの帰り、ガラガラのE7系にも初乗車を果たして、さらに良い気分で帰宅することができました。

編集部 田中比呂之(ひろし)

矢来町ぐるり内に特設ページを開設しました!

bn.jpg
掲載できなかった写真を区間ごとに海側、山側で分けて掲載しています!

2014年09月17日   駅めぐりの旅   タグ : 上田電鉄

PAGE TOP