近頃、休日に駅めぐりをしていると同僚に見つかったのかと思ったら、そんなことはなくて、何でも良いから駅のベスト10を書けと「新潮45」編集部のからの要請。後半の4連休が始まる前日夕方のことでした。
今日は余談から始めます。昨日「さとたか」さんが投稿された南下沼駅の写真にちょっとショックを受けました。平成18年に廃止になって、今は存在しない駅ですが、もしこの駅で列車を待つことになったら、しかも夜だったらどうしよう思いました。この小屋、いや待合室に照明はあったのでしょうか。誰か来たら、お互いに大声を上げそうです。
本日発売の「日本鉄道旅行地図帳 九州沖縄大改訂2014」では、杉﨑行恭さんに名駅舎だけではなく、ちょっと行ってみたくなるようなユニークな駅を紹介していただきました。その中でも九州特有の「トーチカ駅舎」について、愛情あふれる余話をご披露いただきました。(編集部)
だいぶ以前に神保町の古書店で手に入れたものの、ほとんど見ることもなく自宅の壁に立てかけておいたのが、『日本の駅』(鉄道ジャーナル社)です。これが今やページをめくらない日はないほど、愛読する本になっています。毎日新しい発見があります。編集に携わる者として、こういう本を作ってみたい、と思わせる本です。昭和47年10月14日発行、つまり鉄道100周年を記念して刊行された写真集ということです。
『百駅停車』(小社刊)は相変わらずじわじわ売れています。この本の取材で筆者の杉﨑行恭さんと駅をめぐるうちに、その面白さに嵌まってしまいました。列車の撮影と違って、その場所に行けば駅はあるので、撮影には苦労はありません。しかし、何駅かを撮影しなければならないとき、夕方近くになってバタバタしはじめます。日が暮れるまでに撮り終えないと、と焦ります。
『百駅停車』に触発されて以来、駅舎のことを考えない日はありません。とはいえ、筆者の杉﨑さんのように長年駅を見つめ、建築史から駅舎を眺める知識はもちろんありません。この本の編集をするまでは、マンサードとファサードの違いなど知るはずもありません。駅舎を見ても、大きいとか、小さいとか、古いとか、新しいとか、子供のような感想しか浮かびませんでした。
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